釜山レポ④  釜山闇オヤジ

秘密の扉(韓国警察24時)


そのあと国際市場に行った。
市場は夕方から夜にかけてが1番栄えるみたいで、正午前に行ったらまだ屋台はほとんど開いてなくて人もまばらだった。

私達は開いている屋台でなんか食べようってことになった。



食べたのは巻き寿司みたいなのやら餃子やら餅やらを赤い甘辛いのにつけて食べる、あの料理何だったっけ??
有名なんだけど忘れちゃった。
でも私はほとんど食べなかった。お腹空いてなかったし。
で、3等分して1人w900だった。日本円で90円くらい。



で、さっそく市場を散策。
そこは国際市場じゃなくて、(国際市場の中にあるのかな?)国際市場の隣にあるアリラン通り。

友達も私も財布が欲しかったのでそういう店を探した。

何軒か回ってある一軒の店に入ったら、おじちゃんが「何が欲しい?」って聞いてきた。
財布って答えたら「ブランドもんの財布まだまだあるよ。」って、私たちを奥に案内した。








ちょっと待てよこれってもしかして・・・・・









韓国警察24時とかに出てくる秘密の部屋か!?








ちょっと興奮しだした私は真っ先に乗り込んだ。




当たりだった。




でも偽物のくせに高かった。安くても5000円はするって言われた。
私たちが「高い高い。」っていうとおじさんは何いってんだよってな感じで私達にいろいろ聞いてきた。



「いくらもったきた?」
「10万は持ってきてるでしょ?」
「ほんとにないの?5万もないの?」


私達はほんとに5万も、いや、3万も、いや、実は2万も持ってきていなかった。


おじさんは呆れ返って私に言った。
「もう財布買わなくていいからコーヒー飲んでいってよ。」


半ば強引だった。完璧に同情されていた。



と言う訳で、秘密の部屋から抜けて、おじさんと一緒にコーヒーを飲むことになった。


その前に私はこの部屋をどうしても撮りたいと思っていたが、聞く前におじさんから
「写真すきに1枚撮っていいよ。」
と言われたので、おじさんが居ないときに撮った。
おじさんが秘密の部屋に戻ってきて
「写真は撮った?」
と聞いてきたので
「はい。」
と答えると、すかさず手を出してきて「じゃあお金ください。」と言った。



私はおじさんの顔がマジだったのと、韓国警察に出てくるような犯罪の匂いがぷんぷんしたこの秘密の部屋を撮っちゃったんだからこの状況に『やばい・・』と思った。


おっさんの言うことなんか鵜呑みにしなきゃよかったと言われたその瞬間に後悔した。
そして船で会ったおばさん3人衆の旅行者の心得が頭の中をぐるぐる回った。


友達が「は?」って怒ったような感じで聞くとおじさんは
「じょうだんですじょうだん。さあコーヒーを飲みましょう!!」
と言って笑った。
おっさんジョーダンじゃねえよって思った。




そして私達はコーヒーを飲んだ。
おじさんはこの仕事の話や福岡の話や日本人のおかげでがっぽり儲かった話、ついにはなれそめの話までしだした。
私はもうどうでもよくなっていた。
財布を買えないと分かった今、残りの滞在時間も少ないと言うのに全く知らない人のなれそめの話まで聞いてる時間は私にはないのだ。
コーヒーを飲んだ後、おじさんは
「おいしかったですか?」
と聞いた。
本当に美味しかったので、
「はい、美味しかったです。」
って言うとすかさず手を出して「そうですか、お金ください。」と言った。
おもしろくもなんともない冗談だよあんた。




話がやっと終わり、おじさんにサムゲッタンの美味しい店はないか聞いた。
サムゲッタンとは船の中でおばさんに聞いた、“これは食べておくべき料理”の名前だ。





そして最後におじさんから名詞をもらった。
名詞には
“日本語できます。釜山カバン店”
と書かれていた。
裏を見ると釜山カバン店の地図が書かれていたが釜山カバン店とtoileiの文字以外ハングル文字だったのでもちろん分からなかった。
この名詞はもう多分使うことはないだろう。
そしておじさんと別れた。




おじさんの写真、撮っとけばよかったなあ。